不労所得って何だろう

ウマ娘
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セミリタイアーの中には不労所得として資産運用を収入の柱に添えている人たちがいる。僕自身不労所得という概念に対しては批判的である。そこには楽して収入を得る、何をしなくても収入を得ることができるというニュアンスが見え隠れするからだ。現実はそんなに甘いものではないと言いたくなる。しかしよく考えてみれば不労所得って何だろう。そこで今回は不労所得について考察してみたい。

労働とは何?

不労所得とは労働によらず得る所得のことだ。では労働とは何だろう。辞書によると収入を得るために体や頭を使って働くことだそうだ。となると資産運用だって労働になるのではないだろうか。資産運用をするには企業分析や市場分析が必要となり、それは収入を得るために頭を使って働くことに他ならない。となればこの世の中に不労所得というものは存在しないということになるのではないか。

しかし不労所得というものは存在しないと早合点することはできない。そもそも労働は収入を得るために体や頭を使って働くという定義は説明不足なのではないかと思う。

僕が思うに労働というものは自分の自由な時間を他人に譲り渡す代わりに金銭を得る行為だ。例えば会社員は労働時間には労働に集中しなければならない。自分の時間を他人つまり会社にコントロールしている訳だから労働時間中にゲームなんてできない。もししてしまったら減給なんてこともあるだろう。

フリーランスはどうだろうか。フリーランスは会社員とは違い会社に所属しない働き方だから他人に自分の時間をコントロールされているわけではない。ではフリーランスの働き方は不労所得かというと感覚的に考えてそういうことにはならないと分かる。フリーランスは誰と取引するか選択できるが、その取引に入った後は自分の時間を他人に譲り渡すことによって金銭を得ることになる。そうなれば取引相手から業務について指図を受けることもあるだろう。会社員との程度はあるにしろ、他人に自分の時間を部分的にコントロールされているといえる。フリーランスと会社員の大きな違いは業務内容の選択の自由があることであって、労働という観点からは大きな違いはないということだ。

資産運用は不労所得?

こうしてみると会社員やフリーランスの働き方とは資産運用は決定的に異なることがわかる。資産運用は自分の時間を他人に譲り渡すわけではない。資産運用は頭を使う点は労働といえるわけだが、自分の時間を誰かにコントロールされているわけではないのでその点では不労所得といえる。

これらの観点からすれば僕は資産運用は半不労所得と呼ぶべきではないかと思う。資産運用=不労所得ということにモヤモヤしていたが、半不労所得という言葉ならば楽して収入を得る、何もしなくても収入を得ることはできるというニュアンスは薄まる。企業分析や市場分析が必要な点からも半不労所得という言葉はぴったりと当てはまるのではないだろうか。

労働所得と半不労所得と不労所得

ここまで分析した結果分かったことをまとめる。体や頭を使って収入を得るかどうか、他人に自分の時間を譲り渡すかどうかによって3つに分類できる。

  1. 労働所得 他人に自分の時間を譲り渡し、体や頭を使って収入を得る
  2. 半不労所得 他人に自分の時間を譲り渡すことなく、体や頭を使って収入を得る
  3. 不労所得 他人に自分の時間を譲り渡すことなく、何もしなくても収入を得る

1が会社員やフリーランス、2が資産運用となる。

3については圧倒的な資産を有する億万長者が低リスク低リターンの投資運用をすることが当てはまるだろうか。例えば1兆円の資産を有する人が金利0.001%の銀行に預金したら1年で1000万円得られることになる。これであれば選定や管理のために労力を費やす必要はなくなる。1兆円に比べれば1000万円は少ないと思うだろうが、これだけの資金があれば十分豊かな生活を送ることができる。

3は一般庶民には無理であり、現実的には1と2になる。まずは1によって所得を増やし、その貯めた資金で2を目指す、これこそがセミリタイアの王道だろう。

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